こんにちは。オペラWGです!
2024年7月18日から7月21日にかけて、東京文化会館にて東京二期会の『蝶々夫人』の公演が行われました。 そして今回は、『蝶々夫人』の舞台設営を見学した様子をご報告します。舞台裏や舞台設営の様子を実際に観察し、舞台にまつわる詳しいお話も伺うことができ、とても興味深い体験でした。
「蝶々夫人」の舞台装置と衣装は、サンフランシスコから輸送されました。しかし、本来予定していたルートが戦争の影響で通れず、大回りの経路を取ることになりました。港での混雑の影響もあり、輸送が遅れていましたが、無事公演に間に合わせることができたそうです。
東京文化会館の舞台は、二層構造になっており、スライド式で上下に動かせる仕組みになっています。見学した際には、コンサートなどで使用される舞台部分や音響反射板が奈落に格納されていました。このような舞台機構は、音響効果や場面転換などの演出の幅を広げる重要な役割を果たしています。
実際の公演中の舞台では、音楽が演出全体を調整しています。指揮者が音楽を進行させ、そのリズムに合わせて照明や字幕が操作されます。これらの操作はすべて人力で行われており、照明や字幕の担当者が指揮者のタイミングを受けて、音楽に合わせて動かします。また、オペラハウスの音楽監督である指揮者は、楽譜に書かれた音楽だけでなく、舞台全体の空間を把握しながら指揮をします。これらを知って実際に舞台を見れば、更に音楽と演出の一体感を感じることができると思います!
また、オペラ団体の現状についてもお話を伺いました!オペラの公演は採算が取れるかわからない状態で行われる上、昨今の集客具合により1つの作品は長くても8回しか行われないため、運営が難しくなっているそうです。加えて、オペラの舞台は一度の公演期間を終えるたびに取り壊されます。作って壊すことの繰り返しは生産性が低く、サステナビリティの観点においても優れていると言えません。 これは日本のオペラだけの問題ではなく、世界を見ても国の補助金なしに成功している団体はほとんどありません。たくさんの娯楽が急成長を遂げている今、その波にオペラが埋もれないために、固定観念に囚われない新しい切り口からのアプローチを行うことができるかが解決の鍵となると考えられています。
オペラWGでは、そのような視点からもオペラの魅力をどう伝えることができるか、活動の中で探っていきたいと思います!